
冬の寒さは君の不在を思い起こさせる。陽気に酒を飲んで、楽しければ喝采 半分は捨て、半分残った君の形見を脇へと寄せる。喪失の悲しみを埋め合わそうと急ぐのは愚かだ。冬の寒さに瞬きをする。Hello. 再び、夢のなかで君を見失っていた。
We are what we pretend to be, so we must be careful about what we pretend to be.
――Kurt Vonnegut(1922-2007), he warned in the intro to his novel Mother Night.
(一行空けて)
君看双眼色、不語似無愁
人知れぬ思ひのみこそわびしけれ
わが嘆きをば我のみぞ知る
A man in the house is worth two in the street.


まずは生きることだ。
ほかはどうでもいい。
まずは生きることだ。
生きている限りにおいて可能性はある。
生きて欲しいと、おれは言わない。
おれは不遜な人間だと自分でも思うが、そこまで脳天気に君を引き上げようとは思わない。要らぬお節介、というヤツだ。ただ幾つかの、見せたいものがあるのです。それは、いまだ一冊の本にも纏め上げられていないおれの本でもあるし、あの日に話したおれの夢の続きでもある。
まずは生きることだ。
ほかはどうでもいい。
絶望がさり気なくそこにあるとき 痛みは引いて、晴れ間に吹くおだやかな風を見る。結構だ。痛みを紛らわすための種々を、家族、宗教、哲学、科学、愛などを思い返す。よしてくれ、目が回るばかりだ。太った太陽もいまではまどろむばかり。青ざめた季節に生のディレッタントのする欠伸。ぱくぱくと動く口、サイレントムーヴィ、世界は静かでありました。